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戦 後 の お 金
(2)
(現行貨幣 、 A号〜B号日銀券)

幕末期のお金 明治期のお金(1) 明治期のお金(2) 明治期のお金(3) 大正期のお金
昭和前期のお金 戦時中のお金 戦後のお金(1) 戦後のお金(2) 戦後のお金(3)
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現 行 貨 幣


 昭和23年10月から、現行貨幣の最古参である5円黄銅貨(穴無し)の、
製造が開始された。
 しかし、以前から発行されている、1円黄銅貨との識別が困難なため、昭
和24年から、
5年黄銅貨(穴有り)に改正された。
(昭和23年物価)雑誌中央公論:25円、はがき:2銭、公務員初任給:4,863円入浴料:大人:10円

現行貨幣の製造枚数


5円穴無し(d:22.0mm、w:4.0g) 5円穴有り(d:22.0mm、w:3.75g)
年号:s23〜s24年 年号:s24〜s33年

  昭和25〜26年には、10円の洋銀貨(ニッケル、銅、亜鉛)の製造を開
始したが、朝鮮戦争のためニッケルの価格が急騰し、ニッケルの使用が
制限されたため、製造されたものは未発行のまま鋳つぶされた。

(昭和25年物価)白米10kg:445円、雑誌中央公論:90円、日雇労賃:263円、週刊誌:20円

 10円洋銀貨の代わりに、10円青銅貨を発行することとなり、昭和26年
から製造を開始した。図柄は、表に宇治の平等院鳳凰堂、裏は月桂樹で、
縁には、最高貨のシンボルでもあったギザが付けられた。

 また、当時紙幣は、5銭〜100円までの7券種が発行されていた。
10円
紙幣
の流通量は、非常に大量であったが、10円銅貨を全国一斉に同時
発行し、可及的速やかに紙幣と交換し、併行時期をなるべく短くするという
方針のもと、製造から発行までの期間を長く取り、製造年は昭和26年から
あるが、発行日は、昭和28年1月5日という前例の無いやり方であった。

(昭和26年物価)はがき:5円、公務員初任給:6,500円、豆腐1丁:10円入浴料:大人:12円



10円青銅貨(d:23.5mm、w:4.5g)
年号:s26〜s33年

 昭和28年以降、1円黄銅貨が通用禁止となったため、これの代替として、
昭和30年から、
1円アルミニューム貨が発行された。
 図案は、続いて発行される
50円ニッケル貨と伴に、戦後初めて一般公募
作品が採用された。

     
(昭和28年物価)白米10kg:680円、入浴料大人:15円、はがき:5円



1円アルミ貨(d:20.0mm、w:1.0g) 50円ニッケル貨(d:25.0mm、w:5.5g)
年号:s30年〜 年号:s30〜s33年

   昭和30年頃から好景気を受けて、100円貨の発行を望む声が高
まったこと、自動販売機への対応等も考慮し、昭和32年に戦後初の

100円銀貨(鳳凰)
が発行された。
   
(昭和30年物価)白米10kg:845円、週刊誌:30円、はがき:5円




旧100円銀貨(d:22.6mm、w:4.8g)
年号:s32〜s33年

 しかしながら、これらの補助貨幣は形式等に統一性がなく、50円貨と100円貨
が紛らわし等の意見もあったことから、昭和34年から、
5円黄銅貨(ゴシック体)
10円青銅貨(ギザ無し)50円ニッケル貨(穴有り)100円銀貨(稲穂)が発行
された。

(昭和35年物価)白米10kg:870円、公務員初任給:12,900円、豆腐1丁:15円日雇労賃:494円



5円黄銅貨(d:22.0mm、w:3.75g) 10円青銅貨(d:23.5mm、w:4.5g)
年号:s34年〜 年号:s34年〜

50円ニッケル貨(d:25.0mm、w:5.0g) 新100銀貨(d:22.6mm、w:4.8g)
年号:s34〜s41年 年号:s34〜s41年

 昭和30年代後半から、経済成長と自動販売機の普及等に伴い、硬貨の需
要が急激に増加したこと、銀の工業的使用も増加したこと等のため、昭和42
年から銀を白銅に変更した、
100円白銅貨(桜花)が発行された、また、これ
に合わせて
50円白銅貨(菊花)も発行された。
(昭和40年物価)白米10kg:1,125円、
公務員初任給:21,600円日雇労賃:972円、週刊誌:50円



100円白銅貨(d:22.6mm、w:4.8g) 50円白銅貨(d:21.0mm、w:4.0g)
年号:s42年〜 年号:s42年〜

 100円貨の流通高が60%を超え、また、自動販売機の普及等高額貨幣の発
行の声が高まり、昭和57年新たに
500円白銅貨発行された。
 また、500円貨は、外国貨にも同じような材質、寸法のものが存在しこれが悪
用されることもあって、平成12年から新しい偽造防止技術を取り入れた
500円
ニッケル黄銅貨
発行された。
(昭和55年物価)白米10kg:3,235円、公務員初任給:101,600円日雇労賃:6,550円、週刊誌:200円



旧500円貨(d:26.5mm、w:7.2g) 新500円貨(d:26.5mm、w:7.0g)
年号:s57〜h11年 年号:h12年〜



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A号日銀券

 A号日銀券は、終戦後の新旧円切り替えを行うための新券で、連合軍の占領下で
発行された紙幣である。
 製造に当たっては、図案、券種、版式など全てについて連合軍総司令部(GHQ)の
事前承認を必要とした。

 極度の原材料不足と短期間に大量製造を行う事となったため民間の製紙・印刷会
社を大蔵省の管理工場に指定し、印刷局から管理官を常駐させて、この緊急製造に
対処した(紙幣の組番号により、印刷会社・工場が特定できるようになっている)
 この、A号券は、量産一途に製造されたため用紙、印刷とも粗製であり新旧券の交
換が一段落すると、改造計画が進められた。
 なを、当初は新円券の製造が通貨需要に追いつかなかったため、額面10円以上
の旧円券に、新円証紙を添付したものを新円券に代用した。

 また、小額通貨の不足から、昭和22年〜24年にかけて、5銭、10銭、50銭の紙
幣も発行されている。5銭券のサイズは、h48mm×b94mmで、今日までの銀行券の
中では最も小さいものである。
 
   (注)厳密には、50銭券は製造を急ぐため、日銀券ではなく、日本政府紙幣で発行された。



 (A号・5銭券 : h48mm×b94mm)     組番号:1〜12
.(通用禁止) 
製造年月:s23.5〜s23.6(製造枚数 : 60,000,000枚)
発行・禁止:s23.5〜s28.12
   表面、裏面とも平板印刷



(A号 ・10銭 券: h52mm×b100mm)    組番号:1〜116
..(通用禁止) 
製造年月:s22.8〜s24.12(製造枚数 : 580,000,000枚)
発行・禁止:s22.9〜s28.12
    表面、裏面とも平板印刷



政府紙幣 ・50銭 : h60mm×b108mm) 組番号:1〜267(欠番有り)
..(通用禁止) 
製造年月:s22.9〜s24. (製造枚数 : 1,400,000,000枚)
発行・禁止:s23.3〜s28.12       
表面、裏面とも平板印刷



***   ***   ***
 小額貨幣の整理に関する法律公布により、昭和28年12月末をもって、1円券未満の、5銭券、10銭券及び50銭券の小額紙幣は通用禁止となりました。
***   ***   ***



       (A号 ・1円券 : h68mm×b124mm)             組番号:1〜1156
.
製造年月:s21.3〜s32.3(製造枚数 : 6,278,185,080枚)発行:s21.3〜現行通用
(前期):表面、裏面とも平板印刷 、(後期):表面、裏面とも凸版印刷



      (A号 ・5円 券: h68mm×b132mm)                 組番号:1〜92
.
製造年月:s21.3〜s21.12(製造枚数 : 460,000,000枚)発行:s21.3〜現行通用
表面、裏面とも平板印刷



     (A号 ・10円券 : h76mm×b140mm)                  組番号:1〜1977
.
製造年月:s21.2〜s29.3(製造枚数 : 9,869,055,000枚)発行:s21.3〜現行通用
(前期):表・裏面とも平板印刷、(中期)表凸版、裏平板印刷、(後期):表・裏面とも凸版印刷



(A号 ・100円券 : h93mm×b162mm)                        組番号:1〜7352
.
製造年月:s21.2〜s24.12(製造枚数 : 6,493,632,000枚) 発行:s21.3〜現行通用
(前期):表面凹版、裏面凸版印刷 、(後期):表面凹版、裏面平板印刷





A号券の「紙幣の組番号」は、次のようになっています。

12514・・・・頭記号の・・・五拾銭券以外
12515・・・・頭記号の:・・・五拾銭券のみ

左側の頭記号は、1:日本銀行券、2:日本政府紙幣を示します。
中央の数字、1桁〜4桁は、
「組番号」を示します。
右側の末尾2桁は、紙幣を製造した
「印刷所」を示します(下表参照)。
百円券(聖徳)のみ、通し場号(000001〜900000)が有ります。




印 刷 所 別 製 造 組 数(一部推定)

1組当たりの製造枚数は、500万枚、ただし百円券のみ90万枚となっています。
印 刷 所 末尾
番号
百 円
聖 徳
拾 円
議事堂
五 円
紋 様
壱 円
二 宮
五拾銭
板 垣
拾 銭
は と
五 銭
う め
大蔵省
印刷局
滝野川 12 1631 466 336 12 --
酒 匂 22 1362 523 507 -- -- --
静 岡 32 366 89 -- -- 12 --
彦 根 42 480 91 -- 10 -- -- --
凸 版
印 刷
板 橋 13 299 206 -- 37 56 12
富 士 23 1091 35 -- -- 15 -- --
大 阪 33 90 169 -- -- 65 --
大日本
印 刷
市ヶ谷 14 --- 120 -- -- -- -- --
秋 田 24 --- 14 -- -- -- -- --
新発田 34 --- 71 -- -- -- -- --
榎 街 44 291 --- -- 30 -- --
共同印刷 小石川 15 516 98 62 43 --
東京証
券印刷
王 子 16 993 73 -- 89 30 11 --
小田原 26 69 --- 38 133 --
武 生 36 --- 22 -- -- -- -- --
帝国印刷 17 164 --- 30 -- 18 -- --
. . . . . . . . . .
合 計 組 数 7352 1977 92 1156 247 116 12
製 造 枚 数 64.9億 98.8億 4.6億 57.8億 14.0億 5.8億 0.6億
開 始 組 番 号 12 16 22 12 13 13 13
最 終 組 番 号 1735216 1197722 19226 1115622 226715 111616 11213
(注)確認組数:五円券以下の5券種は、全組の組番号の確認(五拾銭券:欠番あり)を完了していますが、
  拾円券は:約99%、百円券は:約92%の組数確認に基ずく推定ですので、参考程度にして下さい。

1組当たりの製造枚数が、一部の組番号に500万枚(90万枚)に満たないものが存在します。


A号券・番号表






B号日銀券

 昭和25年1月に、B1000円券が発行され、朝鮮戦争の特需景気を背景に
26年4月にB500円券、26年12月にB50円券、28年12月にB100円券が
あいついで発行された。
 このB号券は、A号券が当面のインフレを乗り切るための暫定的役割を負い、
銀行券本来の技術水準から見ると極めて不本意なもであったことから、恒久券
として発行された。

 紙幣の特徴として、右側に肖像、左側および中央に額面金額を配した統一的
デザインを採用し、B50円券を除き縦寸法を統一している。
 B100円券以上の高額券の用紙には、「みつまた」だけを使用し、定位置のす
き入れ(スカシ)を入れている。

 昭和27年4月の平和条約の発効により、銀行券の製造、発行はGHQの許可
が不要となり、大蔵大臣が決定することとなった。
 その第1号が、昭和28年12月発行のB号100円券である。    


    (B号・50円 券: h68mm×b144mm)         No:A−A〜U−V
.高橋是清:日銀総裁から1921年首相に、財政家として活躍、2.26事件で暗殺される

製造年月:s26.10〜s30.3(製造枚数 :360,600,000枚) 発行:s26.12〜現行通用


シークレットマーク(2種あり)
末尾記号:A〜H・・半丸 末尾記号:J〜R・・○ 末尾記号:S〜V・・○




   (B号 ・100円 券: h76mm×b148mm)             No:A−A〜TX−W
.板垣退助:土佐藩の出身、自由民権運動で多くの支持者を得る。1898年内務大臣となる。

製造年月:s27.11〜s47.12(製造枚数 : 12,270,200,000枚) 発行:s28.12〜現行通用
紙質: 茶褐色 、白色 有り


シークレットマーク(4種あり)
末尾記号:A〜H 末尾記号:J〜R 末尾記号:S〜V 末尾記号:W〜Z
末尾記号 : A〜H には、無し・右・下・左 の4種がある


板垣百円の研究
シークレットマーク、紙質(黄色紙・白色紙)等の検討結果です





  (B号 ・500円 券: h76mm×b156mm)                  No:A−A〜XA−M
.岩倉具視:孝明天皇の侍従、明治維新を実現させた功労者、1871年遣欧使節団の全権大使となる。


製造年月:s26.1〜s44.6(製造枚数 : 1,659,400,000枚) 発行:s26.4〜現行通用
紙質: クリーム色、白色 有り


シークレットマーク
末尾記号:A〜H・・・半丸 末尾記号:J〜R・・・○




(B号 ・1000円 券: h76mm×b164mm)                    No:A−A〜SJ−W
聖徳太子:574〜622年、推古天皇の摂政、冠位十二階、十七条憲法を制定、法隆寺の建立など仏教興隆に尽力。

製造年月:s24.11〜s38.8(製造枚数 : 2,825,000,000枚) 発行:s25.1〜現行通用
紙質: クリーム色、白色 有り


シークレットマーク (3種あり)
「小点」のないものが存在(未収) .
左右:大点
中央:無し
左右:大点
中央:小点
はっきりしない
ものもある
(注)左側に示す英字は、記番号



B号日銀券の刷色数(参考)
券 種
(発 行)
表 面 の 刷 色 数 裏 面 の 刷 色 数
凹 版
主模様
凸 版
地模様
凸 版
印章、記番号
合 計 凹 版
主模様
凸 版
主模様
凸 版
地模様
凸 版
印 章
合 計
五拾円券
s26.12
1色
3色
橙黄、淡紫、山吹茶
2色
赤、黒
1色
1色
淡紫
1色
百 円券
s28.12
1色
濃海老茶
3色
水、暗緑、褐海老茶
2色
赤、黒
1色
1色
淡緑
1色
五百円券
s26.4
1色
3色
淡緑、薄紫、橙黄
2色
赤、黒
1色
青紫
1色
淡緑
1色
千 円券
s25.1
1色
2色
淡海紫、青緑
2色
赤、黒
1色
焦茶
1色
淡青
1色






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幕末期のお金 明治期のお金(1) 明治期のお金(2) 明治期のお金(3) 大正期のお金
昭和前期のお金 戦時中のお金 戦後のお金(1) 戦後のお金(2) 戦後のお金(3)



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