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戦 後 の お 金
(3)
(C 号 〜 E 号 日 銀 券)

幕末期のお金 明治期のお金(1) 明治期のお金(2) 明治期のお金(3) 大正期のお金
昭和前期のお金 戦時中のお金 戦後のお金(1) 戦後のお金(2) 戦後のお金(3)
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C号日銀券

 昭和28年頃になると戦後復興も一段落し、経済も拡大してきたことから
高額券の必要性が議論されるようになった。
 同年9月、政府は新たに10000円券を製造することとしたと新聞発表
したが、時期尚早との声が多く一時棚上げとなった。

 しかし、10000円と5000円券の製造は、着々と進められた、昭和32年
に至り、物価も安定してきたことを受け、同年10月にC号5000円券を、翌
33年12月に、C号10000円券を発行した。

 昭和30年代の半ば頃になると、B1000円券の偽造紙幣が大量に出始
めるようになったため、昭和38年11月C1000円券を発行した。
 また、C500円券は少し遅れて、昭和44年11月に発行された。

B〜C号券の記番号調査



 (C号 ・500円 券: h72mm×b159mm)                     No:A−A〜
製造年月:s44.7〜s60.11(製造枚数 : 7,484,000,000枚) 発行:s44.11〜現行通用
紙質: 白色 、クリーム色 有り

.


 (C号 ・1000円 券(前期・記番号黒): h76mm×b164mm)          No:A−A〜FZ−Z
製造年月:s38.5〜s51.3(製造枚数 :1 2,960,000,000枚) 発行:s38.11〜現行通用




 (C号 ・1000円 券(後期・記番号青): h76mm×b164mm)           No:A−A〜
製造年月:s51.4 〜s59.1(製造枚数 :1 2,478,000,000枚) 発行:s51.7〜現行通用
改正点:記番号 黒色から青色に 変更




 (C号 ・5000円 券: h80mm×b169mm)                      No:A−A〜AC−Z
製造年月:s32.2〜s58.10(製造枚数 : 2,219,000,000枚) 発行:s32.10〜現行通用




 (C号 ・10,000円 券: h84mm×b174mm)                     No:A−A〜ZZ−Z
製造年月:s31.11〜s58.12(製造枚数 : 9,323,050,000枚) 発行:s33.12〜現行通用










C号券:沖縄の本土復帰に伴う特殊記号券


 昭和47年5月15日、沖縄の本土復帰に伴い、沖縄で使用されていた「米ドル」
を「日本円」に交換するとの布告が、同年5月1日出された。 そして、この交換は、
沖縄県民に限り、1ドル=360円で、5月15日から5月20日の間行われた。

 本土から沖縄への第1回目の通貨輸送約540億円は、自衛隊の2隻のLST船
(しれとこ型)が使われ、護衛艦3隻とP2V対潜哨戒機が護衛について実施され
たとのことである。

 この時、不測の事態を考慮して、本土で使用されていた紙幣と区別するために、
沖縄に持ち込む紙幣には、通常使われない特殊(飛び)記番号が使われた。

 (注) *昭和46(1971)年6月17日年:沖縄返還協定、日米で調印される。
     *同年10月8日:復帰の際の通貨交換で沖縄県民に給付金を支給し、円の変動相場制
       移行に伴う為替差損を住民に限って保障、実質的に1米ドル=360円を保証する措置」
       をとる旨、閣議決定する。
     *同年10月9日:米ドル紙幣を抱えた人々が、金融機関に一斉に集まり、個人の米ドルの
       保有高の確認がおこなわれ、これの証明として提示証が発行された。復帰時にこの提示
       証に基 づき、日本円との交換がおこなわれた。
     *沖縄と内地等の米ドルを区別するため、当初沖縄にある米ドルに証紙を添付することと
       していたが、これを変更してスタンプをおす方法が取られたが、これが再度変更され、色
       鉛筆で印をする方法にあらためられたとのことである。
     *同年12月19日:基準外国為替相場を1米ドルにつき、360円から308円に変更する。
         (12月20日実施、対米ドル切上げ率は、16.9%)
     *同年12月31日:「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」を公布する。
         (施行は沖縄返還の日、この法律で通貨交換が規定される)
     *昭和47年5月1日:「沖縄の復帰に伴う国税関係以外の大蔵省関係法令の適用の特別
       措置等に関する政令」を公布し、米ドルの日本円交換の期間を15日から20日と決定。
     *同年5月15日:沖縄の本土復帰実現する。20日までに、米ドルを日本円に交換する。
        
              参考資料:日本貨幣年表(日本銀行金融研究所) 他


復帰時の特殊(飛び)記番号(推定)
五百円券 . . . . . ZZ-P ZZ-Q ZZ-R
千 円 券
(黒記番号)
. . . YZ-M YZ-N YZ-P YZ-Q YZ-R
ZZ-J ZZ-K ZZ-L ZZ-M ZZ-N ZZ-P ZZ-Q ZZ-R
五千円券 . . . . . . ZY-R ZZ-R
壱万円券 ZS-R ZT-R ZU-R ZV-R ZW-R ZX-R ZY-R ZZ-R
(注)2回目以降の輸送分を含む



沖縄復帰に伴う特殊記号券


(注)この復帰関連の特殊(飛び)記号券は、当時秘密扱いであったため、世間に知られ
   なかったことから、残存数が極めて少なく、今では
「大珍品」となっている。








C号日銀券の刷色数(参考)
券 種
(発行)
表 面 の 刷 色 数 裏 面 の 刷 色 数
凹版ザンメル
主模様
レインボウ
地模様
凸ドラオフ
地模様
凸 版
印章、記番
合計 凹 版
主模様
ザンメル
地模様
ドラオフ
地模様
凸レインボ
地模様

印 章
合計
五百円券
s44.11
2色ザン

青、黒
2版4色
明紫味灰、薄緑
薄青、薄茶
1色

薄赤紫
2色

1色

青紫
1色

明茶
1版2色
明青味灰
薄黄茶
1色
ドライオフ
千 円券
s38.11
2色ザン

暗茶
暗オリーブ緑
3版6色
にぶ青、にぶ緑
黄茶、明茶
にぶ赤紫、にぶ紫
2色

黒(青)
10 1色

暗黄茶
1色

にぶ紫
1版2色
灰黄緑
灰紫
1色
ドライオフ
五千円券
(前期)
s32.10
2色ザン

黒、暗緑
2版4色
薄茶、紫
赤味黄、緑
1色

2色

1色

暗緑
3色ザン
赤味紫
黄味茶、緑
1色
凸版
五千円券
(後期)
2色ザン

黒、暗緑
2版4色
薄茶、紫
赤味黄、緑
1色

2色

1色

暗緑
3版3色
赤味紫
黄味茶、緑
1色
凸版
壱万円券
(前期)
s33.12
2色ザン
暗褐、暗緑
2版4色
淡赤、山吹
薄浅黄、菜種
2版2色

青、鶯
2色

10 1色
暗紫
3色ザン
黄味橙
草、藤
1色
凸版
壱万円券
(後期)
2色ザン
暗褐、暗緑
2版4色
淡赤、山吹
薄浅黄、菜種
2版2色

青、鶯
2色

10 1色
暗紫
3版3色
黄味橙
草、藤
1色
凸版
・ザンメル(凹、凸)印刷:複数のインキを各部分版から1個の版面上に集合し、
 これから、直接または間接に、紙面に1度に多色印刷を行う。
・レインボウ印刷:インキ溝に区画を設け。複数のインキを入れ印刷、隣接インキ
 は境界で混合し、虹のような色彩を表す。







D号日銀券

 印刷技術の急速な進歩による偽造札の出現、各種自動販売機の普及
等に対応するため、昭和59年11月、千円、5千円、1万円の3紙幣が一
斉に変更された。
 これらの紙幣はD号券と呼ばれ、特徴としては、肖像に文化人を採用、
緻密な凹版画線を採用、機械処理を考慮して縦の寸法を全券種統一し
た・・・等があげられる。

 自動販売機等の普及に伴い、大量の紙幣が必要となり、特に千円券
は、1年間に約20億枚も製造されることから、記番号を使いきってしまい
記番号の色が、黒から青へそして、茶、緑と4種も使われている。
      (注)記番号=25×24×90万×24=129億6千万枚


D号日銀券:記番号調査
大蔵省〜財務省〜国立:「銘版の変り目記番号」等の調査


 (D号 ・1000円 券: h76mm×b150mm) 
                                       現行通用







大蔵省銘
記番号:黒

s59.11〜



大蔵省銘
記番号:青

h 2.11〜



大蔵省銘
記番号:茶

h 5.12〜



大蔵省銘
記番号:緑

h12. 4〜



財務省銘
記番号:緑

h13.5〜



国立銘
記番号:緑

h15.7〜



****   ***   ***   ***   ***   ***


 (D号 ・2000円 券: h76mm×b154mm)
製造:h12. 7〜         現行通用



****   ***   ***   ***   ***   ***


(D号 ・5000円 券: h76mm×b155mm)
                                         現行通用






大蔵省銘
記番号:黒

s59.11〜



大蔵省銘
記番号:茶

h 5.12〜



財務省銘
記番号:茶

h13.5〜


国立銘
記番号:茶

h15.7〜


****   ***   ***   ***   ***   ***



 (D号 ・10,000円 券: h76mm×b160mm)
                                          現行通用






大蔵省銘
記番号:黒

s59.11〜



大蔵省銘
記番号:茶

h 5.12〜



財務省銘
記番号:茶

h13.5〜



国立銘
記番号:茶

h15.7〜



D号日銀券の刷色数(参考)
券 種
(発行)
表 面 の 刷 色 数 裏 面 の 刷 色 数
凹版ザン
主模様
レインボウ
地模様
凸ドライオフ
地模様
凸 版
印章、記番号
合 計 凹ドライオフ
主模様
凸ドライオフ
地模様
凸ドライオフ
印 章
合 計
千 円券
s59.11
2色ザン
暗緑
暗緑味青
2版4色
暗黄、にぶ緑
灰味青、灰味紫
1色

にぶ赤紫
2色

黒(青、茶、緑)
1色

暗緑味青
2版2色
灰味紫
灰味黄緑
1色

弐千円券
h12.7
暗青緑、茶黒
にぶ青緑、にぶ紫
うす紫味ピンク、紫味灰
灰味赤紫、灰味黄緑、灰味青、
灰味緑、明茶、にぶ赤、黄
2色
赤、黒
15 青味黒 暗黄緑
薄赤、暗橙
薄青、黄
1色
五千円券
s59.11
2色ザン
暗灰味紫
暗黄味茶
2版4色
明黄味橙、灰味紫
暗黄、青味灰
1色

黄緑
2色

黒(茶)
1色

灰味紫
2版2色
にぶ赤紫
灰味紫
1色

壱万円券
s59.11
2色ザン

暗茶、暗緑
3版6色
にぶ緑、灰味青、茶
にぶ黄橙、灰味紫
にぶ赤紫
2色

黒(茶)
10 1色

暗黄味茶
3版3色
灰味黄緑
明赤味茶
灰味紫
1色

(出典):昭和59年6月25日:大蔵省告示第76号 、 平成12年4月26日:大蔵省告示第117号






E号日銀券


 印刷技術の急速な進歩による偽造札の増加等に対応するため、平成16年11月、
20年ぶりに、千円券、5千円券及び1万円券の3紙幣が一斉に変更された。
 なお、五千円券の横寸法が、弐千円券との識別を容易にするため、1mm大きく
なって、156mmとなた。

 これらの紙幣はE号券と呼ばれ、特徴としては、肖像に女性文化人(樋口一葉)を
始めて採用、そして「ホログラム」、「すき入れパターン」等の新技術を採用し一段と
偽造防止に配慮したことがあげられる。

 また、久し振りに「シクレットマーク」が復活した。これは、表面、裏面ともに「ニホン」
の文字が入っている (詳細は、紙幣のシークレットマーク参照) 


****   ***   ***   ***   ***   ***


 (E号 ・1000円 券: h76mm×b150mm)
  現行通用






記番号:黒色

h16.11〜




記番号:褐色

h23. 7〜




****   ***   ***   ***   ***   ***



 (E号 ・5000円 券: h76mm×b156mm)
  現行通用






記番号:黒色

h16.11〜


****   ***   ***   ***   ***   ***



 (E号 ・10,000円 券: h76mm×b160mm)
  現行通用






記番号:黒色

h16.11〜




記番号:褐色

h23. 7〜



D号券:記番号調査 E号券:記番号調査 銀行の小型封筒



E号日銀券の刷色数(参考)
券 種 表 面 の 刷 色 数 裏 面 の 刷 色 数
主模様 地模様 印章、記番号 合 計 主模様 地模様 印 章 合 計
千 円券
(野口)
こい緑
暗青
薄赤、灰黄、緑味黄、こい黄緑
くすんだ青緑、こい青、くすんだ青
くすんだ青紫、くすんだ赤紫
こい赤
13 暗紫味青 くすんだ黄赤、緑味黄
くすんだ緑、くすんだ青味緑
くすんだ青紫
こい黄赤
五千円券
(樋口)
暗灰青
暗灰紫
薄赤、明灰赤、くすんだ黄味赤
くすんだ黄赤、くすんだ黄
緑味黄、明灰黄緑、くすんだ赤味紫
明青味灰、銀色
こい赤
14 暗灰紫 薄赤、くすんだ黄
緑味黄、灰緑
薄紫味青
こい黄赤
壱万円券
(福沢)
ごく暗黄赤
暗緑
薄赤、くすんだ黄赤、暗灰黄赤
緑味黄、くすんだ黄緑
くすんだ黄味緑、くすんだ青緑
くすんだ青味紫、薄紫味赤、銀色
こい赤
14 暗灰黄赤 くすんだ黄赤、灰黄赤
くすんだ黄、緑味黄
くすんだ青緑
こい黄赤
(出典):平成16年8月13日:財務省告示第374号







幕末期のお金 明治期のお金(1) 明治期のお金(2) 明治期のお金(3) 大正期のお金
昭和前期のお金 戦時中のお金 戦後のお金(1) 戦後のお金(2) 戦後のお金(3)


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