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戦時中のお金
(昭和10年代前半〜昭和20年頃)

幕末期のお金 明治期のお金(1) 明治期のお金(2) 明治期のお金(3) 大正期のお金
昭和前期のお金 戦時中のお金 戦後のお金(1) 戦後のお金(2) 戦後のお金(3)
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 昭和12年(1937年)に、日中戦争が始まると対外決済に必要な銀や、軍
需資材を確保するために、それまで発行されていた、小型50銭銀貨は紙幣
に、1銭銅貨は小型の1銭アルミ貨に変更される等、戦時色のこいみすぼら
しい貨幣となった。
  (戦時中の物価) 白米10kg: 3円25銭(s14年)、公務員初任給:75円(s12年)
  
豆腐1丁:6銭(s13年)入浴料:大人:6銭(s12年)、週刊誌:15銭(s12年)  


(注)アルミ貨の品位は、すべて、アルミ:1000
   錫貨の品位は、錫:500、亜鉛:500(1銭)
             錫:930、亜鉛: 70(5銭、10銭)
   アルミ銅貨の品位は、すべて、銅:950、アルミ: 50  

カラス1銭(d:17.6mm、w:0.9g) カラス1銭の手変り
年号:s13〜s15年 s14年(左の「ノ型」少ない)


富士1銭(d:16.0mm、w:0.65g) 1銭錫貨(d:15.0mm、w:1.3g)
年号:s16〜s18年 年号:s19〜s20年
(注)富士1銭の18年銘には、W:0.65gと0.55gのものあり。


5銭アルミ銅(d:19.0mm、w:2.8g) 5銭アルミ貨(d:19.0mm、w:1.2g)
年号:s13〜s15年 年号:s15〜s18年
(注)5銭アルミの16年銘には、W:1.2gと1.0g、のものあり、18年銘は、W:0.8g。


穴5銭錫貨(d:17.0mm、w:1.95g) 鳩5銭錫貨(d:17.0mm、w:2.0g)
年号:s19年 年号:s20〜s21年


10銭アルミ銅貨(d:22.0mm、w:4.0g) 菊10銭アルミ貨(d:22.0mm、w:1.5g)
年号:s13〜s15年 年号:s15〜s18年
(注)菊10銭アルミの16年銘には、W:1.5gと1.2gのもの、18年銘は、W:1.2gと1.0gのものあり。


10銭錫貨(:19.0mm、w:2.4g) 稲10銭アルミ貨(d:22.0mm、w:1.0g)
年号:s19年 年号:s20〜s21年







小額政府紙幣


 昭和12年(1937年)に、日中戦争が始まると、それまで発行されていた、
小型50銭銀貨の発行中止することとし、翌13年小額政府紙幣(富士桜50
銭)が発行された。

 昭和17年になると、富士桜50銭に変る、新しい小額政府紙幣(靖国50
銭)が発行された。これは靖国神社を描いた、戦時色の強い紙幣であった。

 これらの、小額紙幣には今となっては珍しい、製造年が記されている。
 ただし、富士桜50銭は昭和13年〜17年まで製造されているが、すべて
13年銘となっている。
 また、シークレットマーク(隠し文字:ニホン、ニッポン)も有ります。
  (戦時中の物価) 白米10kg: 6円(s20年)、はがき:3銭(s19年)、
  
豆腐1丁:10銭(s19年)入浴料:大人:8銭(s18年)、週刊誌:20銭(s19年)  


(政府紙幣・50銭券・富士: h65mm×b105mm) 組番号:1〜1633
1


1633
.
製造年月:s13〜s17(製造枚数 : 1,633,000,200枚)発行・禁止:s13.7〜s23.8
NO:481以降、良質の用紙を使用


50銭券・富士 にはシークレットマーク(隠し文字)が有ります 「ニホン」



(政府紙幣・50銭券・靖国: h65mm×b105mm) 組番号:1〜90
1


90
.
製造年月:s17〜  (製造枚数 :     枚)発行・禁止:s17.12〜23.8






  50銭券・靖国 にも
   シークレットマーク(隠し文字)が有ります


         「ニッポン」






(政府紙幣・50銭券・靖国: h65mm×b105mm) 組番号:91〜849
91


849
製造年月:  〜  (製造枚数 :      枚)発行・禁止:   〜s23.8


(注)昭和18年銘のNo237とNo394の間で、印刷方法の違い(凸版から平版)が見ら
れます。
また、番号の色が、前期はやや黒ぽく、後期が赤ぽくなっています。
いずれの年銘にも、緑色桜花は定位置で、茶色桜花にずれが見られます



(政府紙幣・50銭券・靖国: h65mm×b105mm) 組番号:1〜211
1


211
製造年月: 〜 (製造枚数・17〜19年計: 1,060,000,000枚)発行・禁止: 〜s23.8


(政府紙幣・50銭券: h65mm×b105mm) 組番号:1〜177
1


176
製造年月:s20〜s22(製造枚数 :891,600,000枚)発行・禁止:s21.3〜s23.8
改正点:地模様・橙黄と緑のレインボー、褐色(凸版) から 桃色(平版)、
褐色(凸版)に変更 、 また国名を 大日本帝国から日本帝国に変更






不  兌  紙  幣


 昭和16年(1941年)12月太平洋戦争が始まり、戦争が激化の一途をた
どるなか、主として紙幣製造の簡素化を目的に、相次いで改札(変更)が行
われた。また補助貨幣を補うため小額の5銭券、10銭券も発行された。
  (戦時中の物価) 白米10kg:36円35銭(s21年)、はがき:5銭(s20年)、
  
豆腐1丁:20銭(s20年)入浴料:大人:90銭(s21年)、週刊誌:1円50銭(s21年) 


(参考) 拾円券を例に「簡素化」の流れをみると

名  称 組番号 発行 枚数:百万 表 面 印 刷 表印章 記番号 裏面印刷 裏印章 備   考
丙号 1 次  1〜1179 S 5. 5 1061 凹版1色、凸版3色 総裁印 記番号:黒 凹版、凸版 局長印 .
い号 2次前期  1〜 403 S18.12 363 凹版1色、凸版3色 総裁、局長 記番号:黒 凸版2色 なし .
2次後期 404〜480 S19. 8 69 凹版1色、凸版3色 総裁、局長 記番号:黒 凸版2色 なし すかし変更
3次前期 481〜510 S19.11 150 凹版1色、凸版3色 総裁、局長 番号: 凸版2色 なし .
3次中期 511〜530 S20. 6 95 凹版1色、凸版3色 総裁、局長 番号: 凸版2色 なし すかし変更
3次後期 531〜542 ? 15 凹版1色、凸版3色 総裁、局長 番号: 凸版2色 なし すかし変更
ろ号 4次前期  1〜 69 S20. 8 690 平版3色 総裁、局長 番号: 平版1色 なし 民間製造委託
4次後期  70〜165 ? 237 平版2色 総裁、局長 番号: 平版1色 なし 民間製造委託
は号 5 次 . S20. 9 26 凸版3色 総裁、局長 番号: 凸版1色 なし 未 発 行
・印刷品位は、品質の高い方から、凹版、凸版、平版印刷
・裏面の局長印を表面に移すことで、裏面の印刷回数を減らす
・記番号方式(1枚1枚番号が異なる)から、組番号方式(500万枚が同じ番号)に変更
   (組番号を印章の色と同じ赤色にして、印刷回数を減らす)
・ろ号券から、内閣印刷局のみでは、紙幣の製造が間に合わず、民間にも製造委託

・すかしの簡素化には、図柄を簡単なものする方法と、定位置から不定位置にする方法がある


(い号・5銭 券: h48mm×b100mm)      組番号:1〜14
.
製造年月:s19.10〜s21.5(製造枚数 :641,400,000枚)発行・禁止:s19.11〜s28.12
(参考)楠木正成(?〜1336年)・・・鎌倉時代の武将、河内赤坂村の生まれ
後醍醐天皇の建武政権下で異例の昇進、1336年足利軍と戦い、摂津湊川で戦死。



(い号・10銭 券: h51mm×b106mm)      組番号:1〜20 (17,18欠)
.
製造年月:s19.10〜s21.3(製造枚数 :994,530,000枚)発行・禁止:s19.11〜s28.12
(参考)八紘一宇の塔・・・(宮崎県立平和台公園:昭和15年造)
神武天皇即位紀元2600年を記念して、建設された塔で高さ:37m、「八紘一宇」の銘が刻まれている。



(い号・1円 券(前期): h70mm×b122mm)         組番号:1〜34
.
製造年月:s18.12〜 (製造枚数 : 30,000,000枚) 発行:s18.12〜現行通用
(参考)武内宿禰・・・景行から仁徳の5代の天皇に仕えた忠臣(架空の人物か?)
神功皇后の朝鮮出兵、日本武尊の東国遠征で重要な役目を果たしたとされる。


(い号・1円 券(中期): h70mm×b122mm)         組番号:35〜47
製造年月:  〜   (製造枚数 :10,000,000枚) 発行:s19.11〜現行通用
改正点:番号の廃止


(い号・1円 券(後期): h70mm×b122mm)         組番号:48〜49
製造年月: 〜s21.3(製造枚数 :21,684,000枚) 発行:s20.5頃〜現行通用
改正点:すかし 桐の不定位置 に変更


(兌換い号・5円 券(2次): h76mm×b132mm)        組番号:1〜96
.
製造年月:s16.4〜s18.8(製造枚数 : 86,154,000枚)発行・禁止:s17.1〜s21.3
(参考)菅原道真(845〜903年)・・・平安時代前期の文人で右大臣となる、「学問の神」と言われた
醍醐天皇の時、九州太宰府に左遷されるが、10世紀になって道真の霊を祭る神社があちこちに建てられた。



(ろ号・5円 券(3次): h76mm×b132mm)             組番号:1〜94
.
製造年月:s18.8〜  (製造枚数 :84,600,000枚)発行・禁止:s18.12〜s21.3



(ろ号・5円 券(4次): h76mm×b132mm)           組番号:95〜98
製造年月:   〜s21.3(製造枚数 :16,387,000枚)発行・禁止:s19.11〜s21.3



(い号・10円 券(2次・前期): h81mm×b142mm)            組番号:1〜403
.
製造年月:s18.4〜  (製造枚数 :362,700,000枚)発行・禁止:s18.2〜s21.3
すかし: 拾円 、古瓦文様
(参考)和気清麻呂(733〜799年)・・・奈良時代後半期の公卿
「民部省例」と「和氏譜」を撰し、水利事業や平安遷都に尽力した。


参考:補刷券・・・910830

(前田さんご提供



(い号・10円 券(2次・後期): h81mm×b142mm)          組番号:404〜480
製造年月:  〜  (製造枚数:69,300,000枚)発行・禁止:s19.8〜s21.3
改正点:すかし  日本 、拾 に変更


(い号・10円 券(3次・前期): h81mm×b142mm)          組番号:481〜510
製造年月:  〜  (製造枚数 :150,000,000枚)発行・禁止:s19.11〜s21.3
改正点:記号 黒字から赤字に 、 番号の廃止 、すかし:日本、拾


(い号・10円 券(3次・中期): h81mm×b142mm)          組番号:511〜530
製造年月:  〜  (製造枚数 :95,000,000枚)発行・禁止:s20.6〜s21.3
改正点:すかし 日銀マーク、日本、拾 の不定位置 に変更


(い号・10円 券(3次・後期): h81mm×b142mm)          組番号:531〜533
製造年月:  〜s21.3(製造枚数 :15,000,000枚?)発行・禁止:  〜s21.3
改正点:すかし 桐 の不定位置 に変更



(い号・100円 券(2次): h93mm×b162mm)                  組番号:1〜234
..
製造年月:s19.1〜s21.3(製造枚数:205,038,000枚)発行・禁止:s19.3〜s21.3
(参考)聖徳太子(574〜622年)・・・推古天皇の摂政
冠位十二階、十七条憲法を制定、法隆寺、四天王寺の建立など仏教興隆に尽力した。



(兌換丁号・200円 券: h97mm×b165mm)                       組番号:1〜49
..
製造年月:s13.3〜s13.10(製造枚数 : 44,100,000枚)発行・禁止:s20.4〜s21.3
昭和17年1月制定、日本銀行券として発行
(参考)藤原鎌足(614〜669年)・・・藤原氏の祖
大化の改新(645年)を推進、律令体制の基礎をきづいた。






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