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戦 後 の お 金
(1)
(終戦直後:昭和20年代前半)

幕末期のお金 明治期のお金(1) 明治期のお金(2) 明治期のお金(3) 大正期のお金
昭和前期のお金 戦時中のお金 戦後のお金(1) 戦後のお金(2) 戦後のお金(3)
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  昭和20年(1945)8月、戦争が終ったとき、素材不足のため造幣局が
かろうじて製造を続けていたのは、
1銭錫貨のみであった。
 このため、小額日銀券(紙幣)を発行するとともに、10銭、5銭
、1銭陶貨
の製造に着手した(しかし、陶貨は未発行に終わった)

1銭錫貨(d:15.0mm、w:1.3g) 1銭陶貨(d:15.0mm、w:0.8g)
年号:s19〜s20年 年号:s20年(未発行)

 終戦とともに、政府は戦争中に発行した多額の小額紙幣を貨幣に換え
る計画をたて、造幣局に金属貨幣の製造再開を指示したが、造幣局には、
アルミニューム、錫、亜鉛など、僅かな手持ち資材があるだけであった。
 そこで、取りあえずアルミニューム500トンを貨幣製造に使用する許可
を連合軍総司令部(GHQ)から得て、昭和20年11月から
10銭アルミニ
ューム貨
、12月から5銭錫貨の製造を開始した。この貨幣から、大日本
の呼称を改め日本政府としている(発行は、昭和21年1月から)

 
  (昭和20年物価)白米10kg: 6円、はがき:5銭、豆腐1丁:20入浴料:大人:20銭、
  週刊誌:60銭
)  

5銭錫貨(d:17.0mm、w:2.0g) 10銭アルミ貨(d:22.0mm、w:1.0g)
年号:s20〜s21年 年号:s20〜s21年

 しかし、当時アルミニュームの生産は、GHQによって禁止されていた
し、錫も国内の産出量が少なく、いずれも手持ち資材が枯渇すれば、こ
れらの貨幣製造も長くは続かないことは最初から分かっていた。
 そこで、次の貨幣素材に何を使うかが問題になったが、戦時中軍が
使用した、薬莢、弾帯等のスクラップが多量に有ることが分かり、その
払い下げを受けて黄銅貨の製造が計画された。

 昭和21年5月、払い下げを受けたスクラップを素材に、50銭黄銅貨

(大
型)製造を開始した(発行は、昭和21年8月から)戦後の黄銅貨
の品位が銅:600〜700/1000、亜鉛400〜300/1000と相当広範囲の組
成が許されているのは、スクラップを素材にしているためである。

  (昭和21年物価)白米10kg:36円35銭、雑誌中央公論: 4円、はがき:15銭、
   公務員初任給:540円


50銭大型(d:23.5mm、w:4.5g)
年号:s21〜s22年

 その後、インフレの進行に伴い、地金価格が貨幣価格に接近してきたため、
昭和22年に量目を減らした50銭黄銅貨(小型)発行された。また、この貨
幣から日本政府の呼称を改め、日本国としている。そして、昭和23年10月か
ら、
1円黄銅貨が発行された。

   (昭和22年物価)白米10kg:150円、はがき:50銭、豆腐1丁:1円入浴料:大人:4円
   週刊誌:8円


 昭和28年の小額通貨整理法により、1円以下の補助貨幣は通用禁止とな
る。


50銭小型(d:19.0mm、w:2.8g) 1円黄銅貨(d:20.0mm、w:3.2g)
年号:s22〜s23年 年号:s23〜s25年







終戦直後の紙幣


 戦時中国民に強要していた、預貯金の解除等による巨額な政府支出が予想されたため、
終戦の日(昭和20年8月15日)、大蔵省と日本銀行は、緊急会議により緊急用紙幣の投
入と、高額紙幣の大増刷を決定した。 

 政府が、緊急事態に備え用意していた紙幣は、昭和2年製造の、丙号・200円券、昭和
16年〜18年に製造された、甲号・1000円券、昭和19年から製造されていた、ろ号10円
券・100円券の4種(6券種)であった(緊急事態用紙幣としては、他に丁200円(藤原)が
あるが、これは、昭和20年4月16日に発行された)

 丙号・200円券は、終戦の翌日8月16日に、その他の3種の紙幣は、8月17日にそれぞ
れ発行された。これらの紙幣は、緊急用の非常に粗悪なものであったこと、デザインに軍国
主義の名残を留めていたこと等により、昭和21年3月2日には通用禁止となり半年余の短
い命であった。


  (い号・5銭 券: h48mm×b100mm)      組番号:1〜14
.
製造年月:s19.10〜s21.5(製造枚数 :641,400,000枚)発行・禁止:s19.11〜s28.12



 (い号・10銭 券: h51mm×b106mm)      組番号:1〜20
.
製造年月:s19.10〜s21.3(製造枚数 :994,530,000枚)発行・禁止:s19.11〜s28.12



 (政府紙幣・50銭券: h65mm×b105mm) 組番号:1〜177
.
製造年月:s20〜s22(製造枚数 :891,600,000枚)発行・禁止:s21.3〜s23.8



     (い号・1円 券(後期): h70mm×b122mm)         組番号:48〜49
.
製造年月: 〜s21.3(製造枚数 :21,684,000枚) 発行:    〜現行通用



    (ろ号・5円 券(4次): h76mm×b132mm)            組番号:95〜98
.
製造年月:   〜s21.3(製造枚数 :16,387,000枚)発行・禁止:s19.11〜s21.3



    (ろ号10円券・前期(再改正不換紙幣 ) : h81mm×b142mm)      組番号:1〜69
.
製造年月:s19.6〜  (製造枚数: 69,000,000枚)発行・禁止:s20.8〜s21.3


   (ろ号10円券・後期(刷色変更:再改正不換紙幣 ) : h81mm×b142mm) 組番号:70〜94
製造年月:s 〜s21.3 (製造枚数・: 237,305,000枚)発行・禁止:s20.11頃〜s21.3
改正点:表面の地模様を2色(前期)から1色(後期)に変更



    (ろ号100円券・前期(改正不換紙幣 ) : h93mm×b162mm)              組番号:1〜43
.
製造年月:s19.6〜s   (製造枚数: 43,000,000枚)発行・禁止:s20.8〜s21.3


    (ろ号100円券・後期(刷色変更:改正不換紙幣 ) : h93mm×b162mm)      組番号:44〜182
製造年月:s  〜s21.3 (製造枚数: 658,114,000枚)発行・禁止:s20.8頃〜s21.3
改正点:表面の地模様を2色(前期)から1色(後期)に変更



  (丙号・200円券(兌換券 ) : h97mm×b188mm)                             組番号:1〜9
.
製造年月:s2.5〜s2.5 (製造枚数:7,500,000枚) 発行・禁止:s20.8〜s21.3
昭和2年5月制定、日本銀行券として発行



(兌換丁号・200円 券: h97mm×b165mm)                       組番号:1〜49
.
製造年月:s13.3〜s13.10(製造枚数 : 44,100,000枚)発行・禁止:s20.4〜s21.3
昭和17年1月制定、日本銀行券として発行



   (甲号・1000円券(兌換券 ) : h100mm×b172mm)                        組番号:1〜9
.
製造年月:s16.2〜s18.9 (製造枚数: 8,100,000枚) 発行・禁止:s20.8〜s21.3
昭和17年4月制定、日本銀行券として発行






証紙添付券(ろ10円・前期券)
製造年月:s19.6〜s21.3(製造枚数 : 237,305,000枚) s21年10月・通用禁止

(注)新円券(A号券)の準備が、十分に整わなかったため「証紙」を添付して新円券
とみなす臨時の措置で、s21年3月〜s21年10月の間使用された。   
    
証紙添付券は、10円券の他に100円券、200円券、1000円券にも有る。







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